第四弾
日本防衛せよ
第四弾 「弾道弾迎撃ミサイルSM-3」と「トマホーク巡航ミサイル」

久しぶりの「金さんのわしが作ったる」
今回のお題は「弾道弾迎撃ミサイルSM-3」と「トマホーク巡航ミサイル」です。

そうです!
2017年春の静岡ホビーショー会場にて突如発表した完全新金型のキットです!

今回、まずは営業Sがこのキットについてちょっと解説していきたいと思います。

より詳しい説明は、かの軍事評論家 “岡部いさく” 先生による解説が付いていますので、そちらをご覧くださいね。

さて当キット、ホビーショー会場で、模型誌で、ネットで、ご覧になって
驚いた方や、「?」と思った方、そもそもなにこれ?と思った方も
いらっしゃったのではないでしょうか?
ファインモールド製品のラインナップからは、ちょっと毛色が違うように見えたかも?

しかしこのSM-3とトマホーク、全長“7m”弱と現代の飛行兵器にしては小さな部類に
入ると思いますが、この小さな胴体に非常に興味深いメカニックが詰まっており、
工作機械などメカが大好きな我々として見逃せませんでした。

(お客さんの驚く顔が見たかったという理由もありますが)


我々が興味を持ったきっかけは、
近年の隣国による大陸弾道弾開発のニュースで、
それを迎え撃つための“迎撃ミサイル”という単語を頻繁に聞くようになり、

「迎撃ミサイルってよく聞くけどなんじゃらホイ?」という
疑問が沸き色々調べるとすっかり興味を持ってしまったのです。

(主にうちのしゃちょーが)


あわせて、同タイプのミサイルセルから発射される“トマホーク”もよく
ニュースに取り上げられることもあり、あわせて調べているうちに、
一緒に製品化して、並べたら色々比較もできるな!
ということで2種同時開発となりました。


弾道ミサイルに対するガーディアン SM-3

そもそもSM-3ってどんなものか簡単にいうと、
海を越えて飛んで来る大陸弾道ミサイルを着弾する前に無力化するための防衛用のミサイルなのです。
大雑把に例えを言うと飛んできたサッカーボールにテニスボールを当てて落とすという感じ
(でいいのかな?)
それをものすごいハイテクでしようと。

では、“SM-3”はどこにあるのでしょう?
日本では海上自衛隊の護衛艦に装備されています。
装備した護衛艦は主に日本海に配備され防備にあたっているのです。

上にも書きましたが最近よくニュースで“迎撃ミサイル”という単語を聞きますが、
それが正にこれなのです。

イラストで説明するとこんな感じ


ちなみに画像にある通り、大気圏外で迎撃するそうで、
図右下にある都市防衛型のPAC-3に対しSM-3は
日本全土を防備できる航続距離をもった、防衛の要であるミサイルとも言えます。

普段、旧軍の資料ばかり見てる私からすればまるでSFのよう。
世の技術は発達しておりますなあ...


アメリカ軍の切り込み隊長 トマホーク

見た目からして大きな翼が目を引く“トマホーク”、
“SM-3”とはずいぶん違うように見えます。
じゃあどんなものなのかっていうと、

そもそもSM-3とは動力が異なり、ジェットエンジンで飛行するミサイルで
(SM-3はロケット)、アメリカ軍において戦略上非常に重要視している兵器です。

湾岸戦争やイラク戦争時に、ニュース映像に映る機会も多かったので、
その名前をご存知の方も多いと思いますが、
航続距離が長く、誘導装置によりピンポイントで目標を攻撃できます。

それも速攻性があり命令次第で、開戦後すぐにでも敵深部の重要施設を攻撃することが可能というミサイルです。


すごく大雑把に使用の流れを説明すると、
例えば、アメリカ大統領から命令があると、米艦隊からトマホークを発射。
超低空で飛行し、いきなり敵のレーダシステムとか航空基地を破壊してしまいます。
すると敵は飛行機が使えなくなります。すると航空爆撃も敵前上陸もやりやすくなり、戦局は一気に有利へ傾きます。

つまり、“トマホーク”は対地“攻撃”用、“SM-3”は弾道ミサイル“防衛”用という
違いというか、ある意味真逆の存在といえると思います。

しかしこのトマホーク、飛行速度は800Km程度のため、撃墜される恐れがあります。
そのため基本夜間に発射されます。だからキットのパッケージ背景は夜なのです。
(迷彩塗装なのも同じ理由と思われます)


キットの内容
とまあ、ずいぶん適当な説明が長くなりましたが、
この似て非なるミサイル2種類の違いや細部の特徴を解説していきたいと思います。
まずランナーはこんな感じ、、、

こちらが弾道弾迎撃ミサイルSM-3
こちらはトマホーク巡航ミサイル

パーツ数はかなり少ないので、箸休めの感覚で気楽に作ってもらえればと思います。

それに実物に興味を持たれて初めて模型に挑戦する人も取っつきやすいと思います。

しかし簡単な模型だからこそ、ディテールは手抜かりなくこだわっているので
完成するとなかなかどうして見栄えがすると思います。

ぜひチャレンジしてみてください。

SM-3の組み立て

では実際の組み立てを順を追って説明していきたいと思います。
できるだけ基本的な事も書いていきたいと思います。
なお一応塗装前提で説明していますが、彩色しなくてもその形状は楽しめますので
もちろん無塗装でもOKです。2発入りだから1発は塗装して1発は無塗装とかも、、、
ではまずはSM-3から、、、
まず、Cランナーの台座から組み立てます。
組み立て途中に一息いれるときなど、
台座に置いておくと破損も防げますしオススメです。
できることなら本体を組み立てる前に
塗装もしておいた方が良いです。
C2・C4パーツを使用する飛行状態用は
お好きな色で塗装してください。
ベーシックにつや消ブラックで塗るもよし、
空と海をイメージした青系統で塗装するもよし。
もちろん無塗装でも構いません。
C1・C3・C5を使う発射時用のベースは
イージス艦の甲板に装備されている
ミサイル発射機を再現しています。

キットのように発射管(ミサイル・セル)が
8セルで1モジュールを形成します。
実物の写真を見ていると8モジュールくらい
連なっていたりしますので、
複数のベースを繋げても面白いかも?
発射機のフタ(C3)と取り付け支柱(C5)は
ベースと直角になるように接着します。

ちなみにこのミサイル・セルはSM-3、
トマホークほか数種類のミサイルの
発射管を兼ねており、色んなタイプの
ミサイルを発射できるのが特徴らしいです。
ではミサイル本体の組み立てです。
パーツ番号B3とB4を接着します。

このパーツを合わせる際、
尾翼を持たないように気を付けてください。
尾翼部分は非常に薄く繊細に作ってあります。
曲げてしまわないように注意してください。
胴体の合わせ目は写真のように翼の
付け根になるように設計しているので
ほとんど目立ちません。
無理にパテなどで合わせ目を埋めたりしない方が
綺麗に仕上がると思います。
B1・B2はまだ接着せずに置いておきます。
これらは塗装後に接着する方が工程上、楽と思います。
次にB5パーツを接着します。
B5パーツは胴体にはめてから、
流し込み接着剤を使うと良いと思います。
それからB6パーツを接着します。このB6パーツは細かくて薄いので、取り扱いに気を付けてください。

それに取り付け角度などに注意点があります。
微調整しながら接着したほうが良いので、ここは流し込み接着剤は使用しない方が良いでしょう。
まず上下を間違えないように気を付けてください。
胴体と一体になっている尾翼と同じ向きなので、
接着の際参考にしてください。
それから接着の角度に気をつけてください。
胴体と直角になるように調整しながら接着します。



ちなみにこの尾翼パーツの薄さが生産工程上すごく大変でして、、、できあがりのパーツが薄く細くなればなるほど、金型にプラスチックを流すことが困難になります。

しかし実物の尾翼も非常に薄いため、シャープな出来にしようとすると、この薄さは絶対に外せないポイントです。

そこで困難を承知でこの設計で進めたという経緯があります。
飛行状態はこの状態で塗装工程に入ります。
発射時の組み立ては上の状態プラス、
ブースター部を組み立てます。
B7とB8の合わせ目も、胴体の合わせ目と同じように
ほとんど目立ちませんので
パテなどでは必要ないと思います。
で、B9を付けるとブースター部の組み立ては完成です。
ミサイル本体とは接着せずに組み合わせるだけで良いでしょう。
今日はここまでです。次は塗装工程に入ってゆきたいと思います。


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